SuikoLogはてな別館

大阪のウェブデザイナー・コワーキングスペース運営者のブログです

2年ぶりのハウスMixをきっかけにアラフォーの自分を振り返ってみた

もうちょっとちゃんと書きたいと思いながらも、時間もあまりなく日記程度の内容なのだけど。

2015年から細々とDJ Mix(※)をつくってMixcloudというサービスに公開している。おもに私がDJをするときに取り扱うのはハウスというダンスミュージックのジャンルなのだが、そのハウスのMixには「Metaphysical Lounge(形而上学的ラウンジ)」という大仰なシリーズ名を冠してこれまでに9つのMixを公開してきた。また同名のリアルなパーティもこれまで二回やってきた。

もともとはラウンジ気分で聞き流せるようなBGM向けのハウスMixというテーマでやってきた(ゆえにディープハウスが多かった)のだけど、今はあまりそこの縛りは気にせず、そのときどきに気に入っているハウスをつなげて公開している。

で、そのMetaphysical Loungeのvol.09を9月24日に公開した。

 

www.mixcloud.com

 

このシリーズ、vol.08をリリースしたのは2017年9月ということで、2年ぶりの更新ということになる。2015年から2017年までの2年間で8つもハウスのMixが公開できたのに、その後の2年間になにがあったのかと考え直してみると。

2016年にやりはじめたデレステや長男の影響でハウスでなくポップスのDJに興味がわいていたというのはあるだろうと思う。実際にMetaphysical Loungeを更新するまでの間に息子のために作ったポップスのMixがMixcloudに上げられている。公開しているのはこれだけだが、非公開でウチの自動車の中でだけかかるものが3つあったりもする。

あとは2016年に入ってからリアルなDJのいるパーティにちょこちょこ顔を出すようになったことも大きい。結婚して子どもが生まれたから10年ばかり音楽の現場から遠ざかっていた自分にとって、ひっそり家や自分の店でDJをやるというのはダンスミュージックと関わることそのものだったわけで、そこらへんの魂が人様のパーティにいくことでいくらか浄化されてしまったのも大きい気がする。

ただ2年、それほど頻度は高くなくても人のイベントに顔を出させてもらっていると、今度は自分でもなにかをやりたい、まずは猿真似でもいいから自分でやったことを増やしたいという欲求が湧いてきて、これまで二回のリアルなパーティを開いてみたり、ようやくまたハウスのMixを取ろうという気持ちがわいてきたりしたのが今だった、というわけである。

今後のことはまだまだ考えられていないし、やはりクラブで出会う知り合いたちのように頻繁に現場に顔を出すのは難しいけれど、40になってまたこういう世界に顔を出したりできることがとても嬉しい。30代は独立したり、コワーキングスペースを育てたり、そして小さな子どもを不慣れながらも夫婦で育てたり、そんなことが重なってなかなかそういったことができなかったので。

人の輪に出てみると結構うれしいお誘いもあるもので、40代、今から楽しくなりそうだなと思ってるところである。

※複数の楽曲をMixしてなんらかの作品に仕立てたもの。多くの場合は複数楽曲を任意の位置でつなげてメドレーにしたものであることが多い。

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Metaphysical Loungeのアートワークは毎回、同業者友達でイラストレーターの @spicagraph さんにお願いしている。いつもありがとうございます。



1ヶ月半筋トレを続けた経過と結果

5月に「体重調整期間に入ります」というエントリを書いたが、それから筋トレ・食事に関する気配りといった努力は続いているのか、ここらでご報告しておく。

食事はわりと気をつけている

今、私はたまにしか昼食を摂らない。私が運営しているコワーキングスペースの中で週に2日ほど、メンバーが集まって妻がつくった味噌汁とごはんを食べる日があるので、そこではごはん軽く一膳とお味噌汁をいただくが、その他の日はだいたいサラダチキンと野菜ジュースである(たまにしっかり食べたくなったらファミチキ乗せたりすることもあるけど)。これでわりと満足感が得られ、夕食まで問題なく過ごせる。

あと忙しいときはまったく食べない。さすがに夕方ごろになるとお腹がすくが、我慢できないほどではない。

お昼を減らしてなにがいいって、昼下がりに眠くならないところ。お昼に外食したりするとてきめんに眠たくなって、14時〜15時ごろは寝てるんだか働いてるんだかよくわからない状態になりがちだけど、お昼を減らした日はパフォーマンスが保ちやすい。

サボっていたらすぐ来た腰痛

筋トレ宣言をしたのが5月24日、そしてサボりだしたのは多分6月中旬ごろのこと。ちょうど疲れがたまって腰に違和感を感じていたからなのかもしれない。

それから異変があったのは1ヶ月ちょっと後、7月28日に掃除機をかけているときだった。少し身体をひねったときに感じたいやな違和感。即座に強烈な痛みがあったわけではないが、じわじわと痛みが強くなってくる。やってしまった。

前回腰を痛めたのが半年ほど前、明らかに頻度が上がってきている。これはやばい…

ダンベルと出会って筋トレを再開

それから二日、腰の痛みに苦しみながら筋トレをサボっていたことを後悔しながら読んだのがこのブログ記事だった。

honeshabri.hatenablog.com

たびたびTwitterでタイトルは見ていたが『ダンベル何キロ持てる?』はなんかすごそうだ。さっそくdアニメストアですでに配信されていた3話分をイッキ見した。

じつにいい。身体を動かしたい。腰が痛いという鬱憤もあって、とても身体を動かしてみたくなる気持ちになった。

おおよそ3日後、腰の痛みが軽くなってきたところで筋トレを再開し、現在までの約1ヶ月半ほど順調に続いている。

なぜ続いているのか

1. 筋トレするタイミングを固定した

習慣化するにはまず実施するタイミングを固定することだと誰かが言っていたので、汗を流す直前の、お風呂前に固定した。飲み会後でも体調が悪くなければ多少メニューを減らしてでも実施する。なお、身体的に疲れたなと感じたら1日休息はとるようにしている。あと旅行時は

妻には不審な目で見られるが、長男が最近いっしょにやってくれるようになった。二人並んでプランクをしているとより不審な目で見られるようになったが…

2. (少しだけど)お金をかけた

大した額ではないが、プロテインを豆乳に溶かして運動後に必ず飲む。最初はソイ(大豆)プロテインを飲んでいたが、最近はホエイプロテインの方が効率がいいということで切り替えたところ。

少額でもお金をかけているのといないのとでは、モチベーションが大きく変わる。プロテインだとおおよそ約50食分で4500円ほど。私の場合1日に1回飲むので1日100円弱の課金額ということで、ほどよいコストだと思う。

ダンベルなどの器具を買うのもいいだろうけど、まあこれは近くのジムに通ったほうがよさそうかなと思う。

どんなメニューをこなしているのか

通常、毎日以下のメニューをこなしている。

  • プランク(1分×2セット)
  • サイドプランク(左右それぞれ30秒×1セット)
  • プッシュアップ(胸を床につけるまで下げる腕立て10回×1〜2セット)
  • スクワット(ゆっくりじっくり10回〜15回)

8月の間はプッシュアップ1セットこなすので精一杯、というか7回くらいで休憩をはさまないと腕が上がらない感じだったが、9月に入ってしばらくしたあたりから急に進歩があり、1セットどころか急に2セットできるようになっていた。

最近は筋肉の成長にしたがってメニューの回数は増える傾向にあり、時間が最初よりかかりがちになっているのが少し悩ましいところ。

一ヶ月半筋トレを続けた結果

体つきは変わった

写真が取れていないので比較のしようがないが、たしかに胸筋と大腿筋は少し大きくなった。腹筋についてはおそらく増えたのだとは思うが、脂肪を減らすような運動をしていないので結局おなかまわりのプヨプヨに隠れてよく見えない。

残念ながら体重・体脂肪率には変化なし

見た目には変わったし、またワークをこなせる回数はあがっているだが、今のところ体重と体脂肪率には目立った変化がない。計測は筋トレ直後、つまり夕食とプロテインが入っている状態なので朝に比べて高く出る傾向があるのだけど、まだまだ目標の体脂肪率にはほど遠い。結局脂肪を燃やさないといけないわけで、そろそろここらへんで有酸素運動を取り入れていかないといけないのかなと思っている。

少なくとも筋肉を大きくすると体重はむしろ増加するというし、あまり体重にはこだわらずにじっくりやっていこうと思っている。

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ダンベル何キロ持てる?(1) (裏少年サンデーコミックス)

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dumbbell-anime.jp

はじめてライブ遠征というやつをやっていろいろ失敗したので反省を書き連ねておく

初めての遠征でやらかした失敗を全部書く

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去る9月4日、幕張メッセで行われた「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Comical Pops!」の2日目に現地参加してきた。とても長い名前だが、ようするに私がよくやっているゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」のライブである。同作に出演する声優さんが集まり、作中に登場する歌を歌って踊る。

ライブはTwitterで喚き散らしたとおり最高だったわけだが、初めての遠征にあたってやってしまいそうな失敗をたくさんしてしまったので、ここに共有しておきたい。

 

1. 物販は必ず事前販売でゲットしておく

うげえ高いなーと思っていても、当日になったらなにか一つは欲しくなるのがライブの物販なのである。デレマスのライブであれば、必ずアソビストアで期間限定のグッズ事前通販をやっているわけで、そこで買っておけば間違いがなかった。

チケットが取れた時点ではもちろん買えたわけだ。だが、その値段の高さにウッとひるんでしまい「これはなにを買うか厳選してからカートに放り込まないと…」とブラウザを閉じてしまったまま、つい忘れてしまっていた。

8月に入ってから「ヤバいさすがにコンサートライト(サイリウム)くらいは買っておかないと」とログインしても時すでに遅し、事前販売期間はすでに終了してしまっていたのだ。

こうなるとライブ当日に長蛇の列に入って買い求める必要がある。早めに行かねばと思いつつ、当日朝にひと仕事してから大阪を発ち、幕張に着いたのは14時。開演の4時間前である。急いで物販コーナーに駆けつけたが、特に行列はできていない。

あれ? おかしいなと思いブースまで行ってみると、もうほとんどの商品が売り切れている。最低限ほしいと思っていたコンサートライトが全滅、推しのグッズも全滅(後で調べてみたら高額で転売に出されてた、許すまじ。絶対ああいうとこからは買わん)。

仕方なく公式パンフと、かろうじて残っていたタオルだけいただいてすごすごと閑散とした物販ブースを後にしたのだった。

なお実際にライブに参加してみて、コンサートライトはやはり必須。先行販売のA列席ということで熱心なPさんたちが揃っていたのは間違いないが、見渡す限り誰も手ぶらで応援している人はいない。

ライブが盛り上がってきて後半戦にもなってくると自分の中でもなにかがふっきれてエア光る棒よろしく手を振って、いい気持ちになって楽しんでいたが、やはりあれがあってこそ世界にエントリーしやすい感じがする。公式じゃないものを使っている人もたくさんいたので、これは確実に用意すべきであった。

2. 荷物を預ける段取りをしていなかった

その日の宿は東京。新幹線で東京に着いたが、チェックイン時刻がまだだったのと(考えてみればチェックイン前でも大抵のホテルは荷物くらいは預かってくれるはずなのである)、物販ブースに早く行かねばとの焦りもあって、荷物を宿に預けずそのまま千葉行きの電車に飛び乗った。

海浜幕張駅のあたりのコインロッカーを探してみるが、どこもいっぱいである。先述した物販に行き、開場までの残り2時間弱を近隣施設のロッカー探しに費やした。空いてるところもあるが、20時や21時で閉めてしまうロッカーばかりである。開演が18時なので21時までは3時間、ちょっと余裕がない。

2時間近く、重い荷物を転がしながら海浜幕張のあたりをウロウロする羽目に。ライブに参加すると思われる人々は軽装で散歩や交流を楽しんでいる。うらやましい。

結局ロッカーは見つからず、もう会場に持ち込むしかないと幕張メッセに帰ってきたのは開場時刻の16時30分すぎ。そこでようやく気づいた、会場の中にコインロッカーがあることに。とはいえ会場のロッカーである。どうせいっぱいなんだろうなと思って入ってみると…

スカスカである。

大きいロッカーが余裕で空いている。いくつも空いてる。まさに灯台下暗し、やっとの思いで荷物をロッカーに入れ、ほっと一息がつけた。

そこでようやく自分が参加したフラワースタンドを見たり、周りのプロデューサーさんと軽く挨拶したりということができた。少しでも刷った名刺をお渡しできる機会があってよかった(アイマスのライブではプロデューサー = ファン同士が名刺を交換しあう文化がある)。とはいえ100枚刷った名刺のうち、お渡しできたのは10枚程度という体たらくになってしまったわけだけれど。

しかしもう開演1時間前。ほっとしたのもつかの間、すぐに会場に入ることになった。結局東京でのちょっとの手間と時間を惜しんだせいでとんでもない苦労を背負うことになってしまったわけだ。

ちなみに会場の椅子は小さく、大きなカバンは持ち込まなくて大正解…というかこれでカバンを預けられずにいたらどうなっていたかと思うとゾッとする。

3. まさかの4時間ステージ。終演後には予定を入れないほうがいい

ライブってどんなに長くても3時間くらいだよね、と思っていたらなんとアンコールも含めてちょうど4時間の超長丁場だった。

おバカなことに東京で友人と、21時30分、遅くても22時くらいには会う約束をしてしまっていた。時間を忘れてライブを楽しみ「結構長かったなー3時間くらいはあっただろうか」と思い携帯電話を確認して青ざめた。もう約束の時間を超えて22時である。よ、4時間もあったのか…すぐに友人にメッセージでお詫びをして東京に大急ぎで戻った。

だが、何万人もの人が来ているライブの終演後、スムーズに帰れるわけはない。海浜幕張駅はパンク寸前、むりやり乗った超満員電車に揺られて帰ってきた。幸い友人には東京駅で会えて直接お詫びをすることができたけど、ホント終演時刻はちゃんと調べておいたほうがいい。ていうか後に予定を詰めるべきではない。

失敗を乗り越えて、次はもっと楽しいライブの日にしたい

ということで初めての遠征、クッタクタのボロボロになるくらい失敗したのだけど、ライブそのものはもう本当に最高としかいいようがなく、自分の中のデレマス愛がかつてないレベルで花開いてしまった。

家族やお財布との相談は欠かせないが、今後もライブビューイングなどなど、いろいろなやり方で参加していきたい所存です。今日は以上です。

書評『正しいものを正しくつくる プロダクトをつくるとはどういうことなのか、あるいはアジャイルのその先について』

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先月、私が運営しているJUSO Coworkingギルドワークス株式会社代表・市谷聡啓さんから新著『正しいものを正しくつくる プロダクトをつくるとはどういうことなのか、あるいはアジャイルのその先について』をご恵投いただき、夏休みの間に読ませていただいた。その感想をここに共有したい。

なお、この文章を読んでいる方に先に知っておいていただきたいことがあるので書いておく。

  • 筆者は著者・市谷氏が代表を務めるギルドワークス株式会社の取引先である。
  • 先に書いたとおり、筆者はこの本を賜ったのであって、購入したわけではない。
  • 筆者はギルドワークス株式会社との仕事を通じて、デザイナーとしてアジャイル開発の現場を経験したことはあるが、決して数多くの事例を経てきたわけではない。

以上ご留意の上、読み進めていただきたい。

本書の概要

本書は、数多くの現場でアジャイル開発を実践し、コミュニティ活動や講演活動を通じて思索を繰り返してきた著者による、アジャイル開発プロセスの解説書である。

氏の前著『カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで(新井剛氏との共著)』では、とある開発者を主人公に据えた物語を通じてアジャイル開発の導入と実践を入門者にも分かりやすく示した。

今回はより体系的にアジャイル開発とその実践についての知識・プラクティス・そしてバックボーンとなる考え方についてまとめてある。『カイゼン・ジャーニー』のおもな想定読者であるアジャイル入門者でなく、一度アジャイル開発を導入・実践しようとしてうまくいかなかった経験をもつ人や、その入口で足踏みしてしまっているような人に向いているように思えた。

失敗の体験・ぶち当たった壁に基づいた構成

著者の提唱する「仮説検証型アジャイル開発」は

  1. 価値探索のループ
  2. MVPの特定
  3. アジャイル開発のループ
  4. できあがったプロダクトの検証から、再び価値探索へ

以上のプロセスを繰り返すものである。時系列に沿って解説するならば上記の順番で論を構成すればよいのだろうが、本書ではそうした構成は取っていない。これは著者の「失敗とつまづきの経験」を辿るための構成だからだ。

本書でも述べられている通り、アジャイル開発というのは定型化されたメソッドではない。その実践のための様々なやり方(とくに本書ではスクラムが多く取り扱われている)も、決して手順通りにやればうまくいく、といった「術」ではない。

だから、本書で紹介されるひとつひとつのプラクティスには「それをおこなうことにした背景」がセットになっている。そして、その背景の多くは困難であり失敗体験である。立ちはだかる壁を手探りで乗り越え、また次の壁に当たる…その筋立てを追っていくうちに、著者がたどり着いたひとつのアジャイル実践のカタチが浮かび上がる。本書はそうした構成を取っている。

「正しいもの(正解)は存在しない」からスタートする「正しいものづくり」への旅

本書のタイトルとなっている「正しいものを正しくつくる」という言葉は、著者が代表を務めるギルドワークス株式会社のスローガンでもある。

「正しい」という言葉は危険物である。プロダクトづくりに関わったことがある人であれば「プロダクトづくりに正解なし」は多くの人が実感するところであるし、だから「これが正しい」と言い切ることはともすれば非難の対象になりやすい。

「絶対的な正しさがあるので、それを見つけ出そう」ということではもちろんない。

上のように、もちろん著者もイントロダクションから「プロダクトづくりには正解がない」ことを明示している。しかしその後に続く一節が印象深い。

この言葉(筆者注:正しいものを正しくつくる)に価値が生まれるのは問いにしたときだ。「正しいものを正しくつくれているか?」

正解がない世界では、自分たちがやっていること、向かっている方向が、誤っていないか問い続けるしかない。状況を漸次的に進めることから学びを得て、それに適応し、また漸進する。これが不確実性の高いプロダクトづくりで求められることだ。

 絶対的に正しいものはない。でも、だからこそ、不確実性に支配された暗闇を進むには「正しいものを正しくつくろう」という理想、そういった松明のようなものが必要だ。そしてそれは一緒に仕事をする人たちと分かちあい、守っていかなければいけないものだ。これは私たちデザイナーにとっても同じことである。

本書には不確実性の海をわたる人を照らす、理想という灯り(ふけば飛ぶような心細い灯りである)をより強いものにするための実践例・思考の例が数多く紹介されている。ソフトウェアをはじめとするデジタルプロダクトが話の対象ではあるが、ここで紹介されている考え方のいくつかは、デザイナーはもちろんのこと、さまざまなプロダクトづくりに関わる人々にとっても参考になるのでは思う。

アジャイル、概要は知っているよ」「やってみたけどなんだかイマイチだった」そんなエンジニア諸兄はもちろんのこと、もっといいデザインプロセスを求めている、そんなデザイナーにも手にとっていただきたい、そんな一冊であった。 

正しいものを正しくつくる プロダクトをつくるとはどういうことなのか、あるいはアジャイルのその先について
 

 

セミの亡骸を持って帰って捨てた話

僕は家族が管理しているマンションに住んでいる。そのマンションのエントランスにセミが落ちてた。

とっさに見なかったことにしてそのまま通り過ぎようかと思ったけれど、掃除をするのは家族の誰かである。これは見逃すわけにもいくまい。おそるおそる、足元のブツに手を伸ばす。

虫や、その死骸にふれること自体はどうというものでもないが、セミは別だ。奴らは死んだようでいながら急に壊れた玩具のように動き出す。僕は雰囲気ホラーは好きだが、ただただビックリさせるだけのホラーは大嫌いなのだ。

指でちょん、と突いてみると「ジジッ」と微かに聞こえたような気がしたが気のせいだった。よし。動いていない。よかった。

ちょんと哀れな亡骸を拾い上げ、それからはたと困ってしまった。どこに捨てよう。

なにしろ自宅である。近所の目もあるし、目の前の道路の真ん中に放るわけにもいくまい。土があるところがよさそうだ。うん、土に帰そう。

そう思い目を走らせると、マンションのエントランス外側の植木が目についた。植木の下は確かに土になっているが、そこに捨ててしまっては結局家族の誰かの手をわずらわせることになってしまい、解決にならない。

ゴミを入れるポストだろうか。いやいや、ゴミポストにセミの死骸を入れたところで業者さんが回収してくれるわけでもないし、他の住人にも迷惑すぎる。

向かいの家のちょっと広めの植え込みが一番アリに分解してもらうにはよいロケーションのように思えたが、もちろんそんなことはできるわけがない。

もう家の脇の小さな排水溝に隠してしまうか。いやいや、いずれ自然に帰るとはいえ、落ち葉がたまれば詰まるのが排水口である。そんなナマモノを捨てるわけにはいかない。

どこにもない。街にはセミが土に帰れる、その土がない。

思えば奈良の田舎にはセミが落ちていれば適当に放り投げられそうなところがたくさんあった。田んぼやあぜ道、小さなものじゃ絶対つまらないくらい大きな用水路(これはこれで危ないんだけど)、そして小川。もちろんそんな懐の深いところは周りをいくら見渡してもなかった。

僕は意を決して自分の家のポストを開け、昼に放り込まれたであろう不動産屋のチラシを取り出すと丸めてセミを包んで家に帰り、キッチンのゴミ箱に彼を隠し、合掌してフタを閉めた。

妻は20分後に帰ってきた。彼女はゴミ箱の中にひとつの命を宿していたものがひっそりと眠っていることを知らない。それは木曜日に、誰にも知られることなく、そのまま袋ごと運ばれていき、どこかで灰も残らないほどの炎で焼かれ、天に帰る。それでいい。

晩ごはんを食べながら、僕はもう一度妻の背後でひっそりと眠るそれに、心のなかで手を合わせた。

『トリニティセブン』オンリーでMixつくりました

久しぶりにミックスを上げたのでご報告。
2014年のTVアニメ・近年では劇場版シリーズが公開されている『トリニティセブン』のサウンドトラック・リミックス盤から全22曲(同一曲の複数バージョンを含む)を1時間のミックスにした(下記ウィジェットから直接聴けます)。

www.mixcloud.com

前回の記事で『トリニティセブン』のサントラについて取り上げたのだが、その際に知人から2015年に発売されたTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによるリミックス・アルバムのことを教えてもらった。これが見事にフロア仕様の強めのリミックスで、早速繰り返し聴かせてもらっている。

TRINITY SEVEN FULL ALBUM 「MAGUS MUSIC LIBRARY」

TRINITY SEVEN FULL ALBUM 「MAGUS MUSIC LIBRARY」

 
trinity heaven7 : MAGUS MUSIC REMIXES TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

trinity heaven7 : MAGUS MUSIC REMIXES TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

 

熱が冷めやらぬうちに、ということで前回紹介した『TRINITY SEVEN FULL ALBUM 「MAGUS MUSIC LIBRARY」』と今回勧めてもらった『trinity heaven7 : MAGUS MUSIC REMIXES』のミックスを一発録りで公開した次第。

基本的にテクノのミックスとして制作したのでボーカルものはかなり少なめだが、クラシックなテクノ風の要素と現代的なエレクトロニック・ミュージックとしての要素、そして劇伴としてのストーリー性を兼ね備えたトリニティセブンの音楽の魅力を感じてもらえるミックスになったのではないかと思っている。

セットリスト

  1. TRINITY SEVEN MAIN THEME / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  2. Ordinary School Road / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  3. PALADIN / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  4. Fickle Butterfly / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  5. MAGUS MODE / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  6. memories archive / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  7. MAGUS MODE "SATAN FORM MIX" / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  8. Chrono Calculation / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  9. MAGUS MODE(TRINITY FORM) / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  10. IMPER (LOST) / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  11. Alea iacta est!(endless game) / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  12. LAST CREST(miserere nobis) / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  13. TURN THE TABLES / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  14. AMAZING MAGUS / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  15. SHaVaDaVa in AMAZING♪(OUT OF LOGIC) / ユイレヴィ♡風間レヴィ(CV.佐倉綾音)&倉田ユイ(CV.村川梨衣)
  16. MISCHIEF!(MORE CUTE) / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  17. TURN THE TABLES(ON THE FLOOR) / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  18. Close Call / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  19. Spell Succeed(access circuit) / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  20. CHASE ACCELERATE / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
  21. BEAUTIFUL≒SENTENCE / 内田 彩 & 原 由実
  22. Nervous Sightseeing(IT'S A BEAUTIFUL WORLD) / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

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Photo by VAlex / Licenced by Adobe Stock

7月に買った音楽レビュー(アニメ・ゲーム編)

先日に引き続いての7月購入音楽レビュー、今回はアニソン編。思いのほか筆が進んでしまい、結局2枚しか紹介できなかった(一枚はアルバムなのでボリュームがあることもあるけれど)が、ぜひご高覧いただければ。

それにしてもはてなブログiTunes視聴ウィジェット、便利だよね。

お願いマッスル / 紗倉ひびき(ファイルーズあい)・街雄鳴造(石川界人

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この夏話題の筋トレアニメ『ダンベル何キロ持てる?』の「飛ばせないOP」としてTwitterでも沸いている一曲。

ウルフルズ『ガッツだぜ!』を彷彿とさせるアツくてソウルフルなトラックに、新人とは思えない演技を見せるファイルーズあいの元気で表情豊かな歌声とラップ、そして石川界人「キレてるよ!」「腹筋6LDKかい!」といった超ハイカロリーな掛け声が重なり、全体として完全にカロリーオーバーでキレッキレな出来に仕上がってしまっている(褒め言葉)。

じつは数ヶ月ぶりという短期間で腰を痛めてしまったこともあり、僕も筋トレを再開したところなのだが、アニメもこの曲も、ともに筋トレの友として有用なので筋活がんばりたいあなたも観てみよう、聴いてみよう。

そういや息子の通っている水泳教室(ジムも併設してる)でもBGMとしてオンエアされていたらしい。やはり筋肉界隈でも話題なのだろうか。すごいぞダンベル。ナイスバルク! 

お願いマッスル

お願いマッスル

  • 紗倉ひびき(CV:ファイルーズあい) & 街雄鳴造(CV:石川界人)
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

TRINITY SEVEN FULL ALBUM 「MAGUS MUSIC LIBRARY」 / TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

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過去にお邪魔したゲーム系音楽イベントでDJさんにトリニティセブンのサントラはいいぞ」とオススメしてもらっていたことを思い出しApple Musicで聴いてみたところとてもよかったので購入。CD4枚組4,000円の大ボリュームだけど、買って後悔なし。

音楽はTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。寡聞にして存じ上げなかったのだが、1994年から活動しているベテランのテクノポップユニット。

ja.wikipedia.org

DISC1に出演声優によるボーカルもの、DISC2 / 3に劇伴、DISC4にはリミックス劇場版楽曲(劇場版オリジナル楽曲やテレビシリーズ劇伴のリミックスを含む)が収まっている。ボーカル曲だと『BEAUTIFUL≒SENTENCE』『SHaVaDaVa in AMAZING♪』が印象的。劇伴も全体的にとても聴きやすくかっこいいのだけど、特に気に入っているのは『TURN THE TABELS』『MAGUS MODE』『MISCHIEF!』そして『Nervous Sightseeing』の4曲。

Cupsuleを思わせる2010年代的なエレクトロポップのエッセンスを十分に取り入れつつ、底に流れているのはYMOなんじゃないかと思える音づくり。多用されるポヨポヨしたシンセ・タムのオカズだとか、ちょっとローテンションな男声ボーカルだとか、間奏に入るスペーシーなシンセのソロだとか。25年ほど前に遅すぎたYMOキッズだった私にはなんだか嬉しい感じの音がたくさん出てくる。

そこに声優の声ネタが遊び心で散りばめてあるところがまた面白い。先述したインスト曲『MISCHIEF!』のかわいいスキャットはそのままED曲の『SHaVaDaVa in AMAZING♪』にも使われており、アルバム全体の中で福神漬けのように効いている。

アニメにとくに興味ない方でも、エレクトロポップがお好きなら、DISC2〜3からお気に入りの曲を見つけて単曲買いもありだと思う。ただ買うのが10曲超えるようならもうアルバム全部買っちゃえと申し上げたいが。

なお、前後してアニメシリーズもdアニメストアで観た。わりかしシビアな世界観を背景にしつつもラッキースケベ盛りだくさんの美少女もののロー・ファンタジーだった。はい、わりと好物なので深夜にこっそり一気観しました。息子とアカウント共有してるので履歴には残さぬよう気をつけたよ。 

BEAUTIFUL≒SENTENCE

BEAUTIFUL≒SENTENCE

  • 内田 彩 & 原 由実
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
SHaVaDaVa in AMAZING♪

SHaVaDaVa in AMAZING♪

  • provided courtesy of iTunes
MISCHIEF!

MISCHIEF!

  • provided courtesy of iTunes
TURN THE TABELS

TURN THE TABELS

  • provided courtesy of iTunes
MAGUS MODE

MAGUS MODE

  • provided courtesy of iTunes
Nervous Sightseeing

Nervous Sightseeing

  • provided courtesy of iTunes

なんだか一枚あたりのレビューが思ったより長くなったのでこのへんにしときます…